結局、定員に追い出されるような感じで店を出た。
突き刺さる様な視線に耐えるキュヒョンとは裏腹に、ヒョクチェは呑気に眠っている。
まったく、事の発端は誰だと思ってるんだか…
キュヒョンは仕方なく、ヒョクチェを車まで運ぶ。
がっしりとキュヒョンの肩を掴んでいるヒョクチェの手をはずそうと、
キュヒョンがヒョクチェに触れたときだった。
「ん…きゅひょなぁ?」
腫れた目を擦りながら、ヒョクチェが舌足らずな声を出した。
起きてくれないくて良かったのに。この人は、どこまで人に迷惑をかけるんだか。
「ヒョクチェヒョン、ちゃんと立ってください。もう帰りますよ」
「えぇ~?もうかえっちゃうの?」
ヒョクチェは駄々をこねるようにぐずりだす。
しまいには、ずるずると力なく座り込んでいって、やだやだと連呼する。
もう、視線が痛いどころの話ではない。
ここまでくれば完全な不審者で、立ち位置から言えば…
多分、キュヒョンの方が、怪しい。
「ほらヒョン。早く立って。置いていきますよ」
「やあだぁ…もう眠いのぉ」
「眠いんだったら、帰ってから寝てください。」
キュヒョンが腕を掴むと、ヒョクチェはあっさりと立ち上がる。
ずかずかと人の車に先に乗り込んで、ちゃっかり助手席に腰かける。
キュヒョンはため息をつきながら、車に乗り込んだ。
隣を見ると、すやすやとヒョクチェが眠っている。
本当に、この人は…
呆れたように笑いながらも、キュヒョンは車を動かした。
ほんのり香るアルコールと、心地よい振動で、キュヒョンはうとうとし始める。
赤信号で止まると、ついに瞼が重くなる。
キュヒョンは頭を振って、助手席を見た。
ヒョクチェが、頭を大きく揺らしながら眠っていた。
「おーい、ヒョン。危ないですよ、そんな寝方したら。」
「ん…」
「まったく…ほら、ヒョクチェヒョンってば…」
頭を押さえようとキュヒョンが手を伸ばした瞬間、
コテンと膝に程よい重みと暖かさが伝わる。
慌てて自分の膝を見ると、寝息を立てて眠るヒョクチェがいた。
「嘘だろ…」
今度こそ、キュヒョンは心の底から深いため息を漏らす。
ふと前を見ると、信号は青く光っていた。
急いで発車させるも、膝の上のヒョクチェの存在がむず痒くて、どうも落ち着かない。
何とか移動させようと、キュヒョンはヒョクチェの頭に手をかけた。
さらりと綺麗な金髪が揺れて、赤く火照った肌が見える。
普段はそんなに見ていなかったのに、よく見ると、睫が長くて、
いい匂いがして、真っ白な肌が引き立たせている真っ赤な唇は、妙に色っぽい。
なんだか、煽られる、ような…
キュヒョンはハッとなって、無理に笑った。
煽られる?俺が?ないない。そんなことは絶対にない。
絶対にミニの方が睫が長いし、良い匂いがする。
それに、白い肌が引き立たせている唇は、ミニの方がそそるように色っぽい。
それだけじゃない。ミニのことなら、いくらだって喋っていられる。
キュヒョンはもう一度、ヒョクチェを見つめた。
寝息から漂う甘いアルコールの匂いだって、ミニを抱きしめたときに香る匂いには劣る。
車を急がせる。
会ったら思いっきり抱きしめてやろう。甘いアルコールの匂いを消すように、甘く。
突き刺さる様な視線に耐えるキュヒョンとは裏腹に、ヒョクチェは呑気に眠っている。
まったく、事の発端は誰だと思ってるんだか…
キュヒョンは仕方なく、ヒョクチェを車まで運ぶ。
がっしりとキュヒョンの肩を掴んでいるヒョクチェの手をはずそうと、
キュヒョンがヒョクチェに触れたときだった。
「ん…きゅひょなぁ?」
腫れた目を擦りながら、ヒョクチェが舌足らずな声を出した。
起きてくれないくて良かったのに。この人は、どこまで人に迷惑をかけるんだか。
「ヒョクチェヒョン、ちゃんと立ってください。もう帰りますよ」
「えぇ~?もうかえっちゃうの?」
ヒョクチェは駄々をこねるようにぐずりだす。
しまいには、ずるずると力なく座り込んでいって、やだやだと連呼する。
もう、視線が痛いどころの話ではない。
ここまでくれば完全な不審者で、立ち位置から言えば…
多分、キュヒョンの方が、怪しい。
「ほらヒョン。早く立って。置いていきますよ」
「やあだぁ…もう眠いのぉ」
「眠いんだったら、帰ってから寝てください。」
キュヒョンが腕を掴むと、ヒョクチェはあっさりと立ち上がる。
ずかずかと人の車に先に乗り込んで、ちゃっかり助手席に腰かける。
キュヒョンはため息をつきながら、車に乗り込んだ。
隣を見ると、すやすやとヒョクチェが眠っている。
本当に、この人は…
呆れたように笑いながらも、キュヒョンは車を動かした。
ほんのり香るアルコールと、心地よい振動で、キュヒョンはうとうとし始める。
赤信号で止まると、ついに瞼が重くなる。
キュヒョンは頭を振って、助手席を見た。
ヒョクチェが、頭を大きく揺らしながら眠っていた。
「おーい、ヒョン。危ないですよ、そんな寝方したら。」
「ん…」
「まったく…ほら、ヒョクチェヒョンってば…」
頭を押さえようとキュヒョンが手を伸ばした瞬間、
コテンと膝に程よい重みと暖かさが伝わる。
慌てて自分の膝を見ると、寝息を立てて眠るヒョクチェがいた。
「嘘だろ…」
今度こそ、キュヒョンは心の底から深いため息を漏らす。
ふと前を見ると、信号は青く光っていた。
急いで発車させるも、膝の上のヒョクチェの存在がむず痒くて、どうも落ち着かない。
何とか移動させようと、キュヒョンはヒョクチェの頭に手をかけた。
さらりと綺麗な金髪が揺れて、赤く火照った肌が見える。
普段はそんなに見ていなかったのに、よく見ると、睫が長くて、
いい匂いがして、真っ白な肌が引き立たせている真っ赤な唇は、妙に色っぽい。
なんだか、煽られる、ような…
キュヒョンはハッとなって、無理に笑った。
煽られる?俺が?ないない。そんなことは絶対にない。
絶対にミニの方が睫が長いし、良い匂いがする。
それに、白い肌が引き立たせている唇は、ミニの方がそそるように色っぽい。
それだけじゃない。ミニのことなら、いくらだって喋っていられる。
キュヒョンはもう一度、ヒョクチェを見つめた。
寝息から漂う甘いアルコールの匂いだって、ミニを抱きしめたときに香る匂いには劣る。
車を急がせる。
会ったら思いっきり抱きしめてやろう。甘いアルコールの匂いを消すように、甘く。
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